【桐生織】機屋研修~泉織物~
先日、群馬県桐生市にある泉織物さんに機屋見学させていただきました。
・桐生と織物
織物産地としての桐生織物の歴史は古く、その始まりは今から1300年も昔、朝廷に仕えていた山田の男子が、養蚕や機織りに優れていた官女「白滝姫」に恋をし、故郷に連れて帰ってその技術を伝えたのがはじまりといわれています。その後、“桐生”の名は全国的に知れ渡り、「西の西陣、東の桐生」と言われるまでになりました。
そして、明治の頃にはジャカード機など当時の最先端技術をいち早く導入し、近代的な生産体制を確立することによって、世界でも指折りの織物産地に成長しました。
・桐生織とは?
日本で江戸時代までに使われていた技術または技法で、今でも産地にその技術または技法が伝えられ、つくられている製品をいいます。
桐生織の「織り方」には7つの技法があって、いろいろな種類の織物がつくられます。
桐生織は、昭和52年10月に通商産業大臣から伝統的工芸品桐生織の指定を受けました。
現在、経済産業省、群馬県、桐生市の指導をもとに、桐生織物協同組合が中心になって桐生織が一層さかんになるよう事業を行なっています。
伝統的工芸品桐生織には伝産マークを表示しております。
また、優れた技術者には伝統工芸士の称号をおくり、さらに技術をみがき、これを後継者に伝えることをお願いしております。
桐生織の代表的な織り方
1.お召織り(おめしおり)
2.緯錦織り(よこにしきおり)
3.経錦織り(たてにしきおり)
4.風通織り(ふうつうおり)
5.浮経織り(うきたており)
6.経絣紋織り(たてかすりもんおり)
7.綟り織り(もじりおり)
【桐生織と泉織物】
泉織物 ホームページ
創業明治40年。創業以来百年絹の着物を創作いたしております。こだわりの絹糸を用い、伝統を守り「桐生織」(国指定・伝統的工芸品)「桐生絞」(群馬県指定・ふるさと伝統工芸品)の紋織物や紬の着物や帯を創作しており。そのほとんどは一品物で、新しい現代の女性にあった着物づくりを考え、着心地の良さ・風合い・裾捌きの良さを大切にし創作活動を続けております。伝統の着物と心華やぐお洒落着物をご覧になりに来てください。
初代の方は石川県出身で、石川県から群馬県に機屋を構える時に考案した絞りは、泉織物さん発祥で今では桐生絞りと認められるほどだそうです。
糸染めや湯のしなど、通常は分業なのですが、泉織物さんではすべて自社工程で行われ、完成まで時間がかかるそうです。
別注なども受けており、図案から完成まで世界にひとつだけの帯や着物を作る事もできるそうです。
伝統工芸士の泉さんに歴史から現在に至るまでの、桐生織の歴史、泉織物での製作などとても勉強になりました。
予約になりますが、一般見学も受け付けておりますので、お近くに行く予定の方はぜひお立ち寄り下さい。