🆙【絞り染め】研修~藤娘きぬたや~
研修で名古屋に行ってきました。
今回お邪魔したのは、「藤娘きぬたや」さんです。
創業76年のきぬたやさんは、創業当時は銘仙やウールを中心に取り扱ってましたが、途中から
有松鳴海の絞りではなく、京都の絞りに着目し、今日では本流の京都絞りを継承しているのはきぬたやさんだけになりました。
初代の伊藤嘉敏さんが絞りの図案を自身で書き、その名前を藤娘絞りと名付け、その後屋号になりました。
歌手の都はるみさんが、紅白の衣装で着用しきぬたやさんの名が一気に知られるようになりました。
絞りとは1工程1人の細分化された非常に手間のかかる作業工程です。
疋田絞りは絹糸を使い、布をつまんで4つに折りたたみ、3から4回巻き上げ、本疋田では6から8回巻き上げます。
わずか2mmの絞り目を斜め45度方向に連ね、面的な模様を表現します。
かなり細かい作業で、体験させていただきましたが素人には到底できない作業。
鹿の子絞りは、機械絞りと言われてますが機械で巻くのではなく道具を使って手作業で巻き上げる為、
こちらも技術のいる作業。
きぬたやさんは京都の鹿の子絞りを継承しております。
絞りの起源は、インドや中国で歴史が古く、日本では、238年に卑弥呼が魏文帝に絞り染めを貢したと記録が残っている程です。
現存最古のものは、1300年前の正倉院に保管されている遺品にございます。
「天平の三纈」と言われる古代の染色技法があります。
夾纈(キョウケチ)・纐纈(コウケチ)・﨟纈(ロウケチ)こちらも絞りの技術です。
のちに技術改良されて、有名なのが鹿の子絞り。
縁起物で子供を産んでお家の繁栄の意味合いがあり、成人式で鹿の子絞りの帯などのデザインでは多くあります。
他にも、さまざまな絞り技法がございます。ぜひ調べてみてください。
きぬたやさんは、現在新たな作品にチャレンジしており、絞りで有名日本画家の方の水墨画や風景画の着物制作行っております。
見せていただきましたが、どれも圧巻の素晴らしい作品でした。
最近では絞りの技術を持つ、工芸士さんが高齢化の為、現在では途絶えてしまった絞りもある程。
着物に限らず、貴重になりつつある日本の文化。
日本の独自の産業を大事にしていきたいものです。
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