季節と日本
今年のカレンダーも残すところあと2枚。
ついこの間まで夏の暑さにうなだれていたのを懐かしく思います。
四季のある国は世界中にありますが、はっきりと春、夏、秋、冬とはっきりと変化がみられる地域は限られてくると言います。
日本はその限られた地域に属しており、日本の四季は古来から現在に至るまで日本文化の中で語り継がれています。
清少納言の枕の草子は1000年前ですが、そんな昔から季節というのは意識されていたんですね。
「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほかにうち光て行くもをかし。雨など降るもをかし。
秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。
冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。」
日本の民俗衣装である着物は、生地の種類によって季節の移り変わりに対応したり、草花文様の柄で季節を表すなど、日本の気候風土に対応しています。
(春・秋) 単衣・・・裏地のついてない着物
(夏) 薄物・・・透ける素材の着物 「絽・羅・紗・麻・レースなど」透ける素材
(冬) 袷・・・裏地の付いている着物
季節によって楽しめる日本文化は他にもありますが、今後も継承していきたいですね。